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J2前半戦ベストイレブン
2012-07-12 00:00 RSS

 〜「チャンスビルディング」に貢献した選手11人を選出〜

J2は7/8(日)で第23節まで終了。23節終了時点で首位の大分からプレーオフのラインである6位甲府までわずか勝ち点3差と大混戦。プレーオフ争い、JFL降格争いが導入されたことによってどのチームも緊張感を持って試合に望んでいる結果、このような大混戦を生んでいるのではないかと思う。

前半戦が終わったということで、Football labによるJ2ベストイレブンを選んでみたい。Football labのコンセプトは「サッカーをデータで楽しむ」ということもあり、攻撃面は攻撃CBPを基準に「チャンスメーク」に貢献した選手、守備評価についてはボールゲインCBPを基準に選んでいきたいと思う。データはJ2第21節を終了した時点のスコアを基準とした。該当選手の選出基準だが、21節終わった時点でフル出場している選手のプレイ時間は1890分。そのうち2/3以上出場していた選手(1260分以上)を該当選手に選定を行なった。


■下図:J2ベストイレブン(Football lab選定)

【GK部門:岡本 昌弘(千葉)】

GK部門は本来は1対1でのシュート阻止・枠内シュート阻止率など、GKでは守備面での指標が中心で評価すべきだと思うが、GK選手の評価指標は現在開発中なので、開発完了し次第紹介していきたいと思う。今回のノミネート基準は「チャンスビルディング」を重視した選考ということで、パスCBPが最も高かった岡本(千葉)を選出。そもそも千葉は前半戦終了時点でリーグ最小失点13ということもあり、守備面でも異論はないだろう。ボールゲインCBPもGK内で3位をマークしており、未然にピンチを処理していたことが伺える。


■下表:GK
パスCBP・ボールゲインCBPランキングtop10(1260分以上出場選手のみ)

※パスCBPで順位をソート、GK全体でtop5のスコアを黄色で網掛け

【センターバック部門:山口 智(千葉)、塩谷 司(水戸)】

続いてセンターバック(CB)部門では1260分以上の出場選手30人の中から選出した。クロスCBPとドリブルCBPがほとんど発生しないポジションなので、攻撃CBP、シュートCBP、ボールゲインCBPの3指標を基準に選定。まず一人目は山口(千葉)。攻撃CBPでトップをマークし、特にパスCBPは全体でも24位に入っており、後ろからのチャンスメーク力No1と言える。シュートCBPも全体で3位、前半戦終了時点で3得点をマーク。また、ボールゲインCBPが3位で、千葉最小失点の要であることを数字でも証明している。
もう一人はなかなか僅差ではあるが、塩谷(水戸)を選出。攻撃CBPは全体の6位だが、シュートCBPが4位で現在2得点と攻撃面での貢献度が高い。またボールゲインCBPが全体の2位で、J加入2年目ながら、水戸のチーム失点4位の原動力という観点も踏まえてノミネート。


■下表:センターバック
シュートCBP・攻撃CBP・ボールゲインCBPランキングtop10(1260分以上出場選手のみ)

※攻撃CBPで順位をソート、CB全体でtop5のスコアを黄色で網掛け

【サイドバック部門:石川 竜也(山形)、福田 健介(甲府)】

サイドバック(SB)部門も30人の中から選出。ポジション特性から、パスCBP・クロスCBPを中心に評価。まず左サイドバックは、SB内で攻撃CBPがナンバーワンの石川(山形)を選出。パスCBPがSB内で2位(全体12位)、クロスCBPが全体で2位。アシストも3点マークしており、センタリングからのチャンスメーク力を評価。もう一人は福田(甲府)。アシスト数が3、パスCBPが全体5位の安藤(京都)とかなり僅差で迷ったが、パスCBPはSB内で3位、クロスCBP全体1位を重視して選出した。


■下表:サイドバック
シュートCBP・攻撃CBP・ボールゲインCBPランキングtop10(1260分以上出場選手のみ)

※攻撃CBPで順位をソート、CB全体でtop5のスコアを黄色で網掛け

【DMF部門:中山 博貴(京都)、永木 亮太(湘南)】

続いてDMF(ボランチ)部門。ここからは選手によってボランチで出ていたり、サイドハーフで出ていたりするが、前半戦でボランチでの出場機会が多かった選手ということで選定していく。該当選手は27人。まずは中山博(京都)を選出。パスCBP全体で1位、シュートCBPもボランチ内で2位。パスCBPナンバーワンの京都だが、その京都のパスサッカーを支える攻撃的ボランチだ。
もう一人は永木(湘南)。湘南の司令塔的存在であり、ボランチ部門内でパスCBP4位、クロスCBP2位、ドリブルCBP2位とバリエーションを持ってチャンスメークができる選手だ。現在6アシストをマークしており、結果も出している選手。


■下表:ボランチ
シュートCBP・攻撃CBP・ボールゲインCBPランキングtop10(1260分以上出場選手のみ)>

※攻撃CBPで順位をソート、CB全体でtop5のスコアを黄色で網掛け

【MF部門:中山 充孝(京都)、工藤 浩平(京都)、西 紀寛(東京V)】

続いてMFの攻撃部門。ここはFWとの兼ね合いもあるが、攻撃CBP上位にラインナップされている選手を見ると、MFで高スコアを出している選手が多いということで3選手を選出。まず一人目は中村充(京都)。攻撃CBPが全選手ナンバーワンで、パスCBPが全体で3位、ドリブルCBPが全体で2位。パスサッカー京都の中でもドリブルで仕掛けることができ、前半戦5得点2アシストをマークしている。
2人目は工藤(京都)。攻撃CBPが全選手2位、パスCBPが2位で、攻撃時のビルドアップ役として機能している選手で、京都の攻撃時に経由役となっている選手。最後は西(東京V)。攻撃CBP・パスCBPが全体で6位。クロスがMFで上位に入っており、パスワークにも参加でき、サイドを突破してクロスでチャンスメークも出来る選手。5得点4アシストと結果も出しており、右サイドハーフナンバーワンプレイヤーだ。


■下表:MF
シュートCBP・攻撃CBP・ボールゲインCBPランキング(1260分以上出場選手のみ)>

※攻撃CBPで順位をソート、CB全体でtop5のスコアを黄色で網掛け

【FW部門:阿部 拓馬(東京V)】

最後はFW部門。ただの得点ランキングであればダヴィ(甲府)が16得点でダントツトップだが、「チャンスメーク」を重視して選考していくと、シュートCBP、攻撃CBP、パスCBP、クロスCBP、ドリブルCBPと攻撃部門ですべてFW内トップ5に入る阿部(東京V)を選出。特にドリブルCBPは全選手でトップとなっており、チャンスも作れて個で打開して点を取れるプレイヤー。12得点5アシストという結果から見ても文句なしだろう。


■下表:フォワード
シュートCBP・攻撃CBP・ボールゲインCBPランキング(1260分以上出場選手のみ)>

※攻撃CBPで順位をソート、CB全体でtop5のスコアを黄色で網掛け

フォーメーションが4-2-3-1で「チャンスメーク」重視の選出なので、守備面のバランスやパワープレイができない布陣になっていることは否めないが、今回選出した11人は混戦のJ2を盛り上げてくれる選手になってくるだろう。他の選手も今後の活躍で上位に上がってくると思うので今回紹介しなかった選手を紹介しているデータを見ながら、みなさんのベストイレブンを選んでいただければ幸いである。


Text by 木下陽介

2012-07-12 00:00 RSS
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