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第7節時点でのJ1選手考察
2012.5.7

前回、チーム別に攻撃CBPのランキング考察してきた(第6節時点でのJ1チーム考察:攻撃力が高いチームはどこか?)が、今回は選手について考察してみたいと思う。第7節を終えた時点で、どの選手がより多くの効果的なプレーをしているのか?ということに着目してみたい。


今回もまずはCBPの考え方を簡単に紹介する。
CBP=Chance Building Pointは、「シュートに結びつく効果的なプレーをどれだけ行ったか?」という観点から、選手・チームを評価する指標である。その算出の考え方としては、過去3年分のJリーグの膨大なデータを用いて、上記の観点からフィールド上の全てのプレーをスコア化した上で、そのプレーを成功させた選手にスコアを加点する。すなわち、チャンスになりやすいプレーをどれだけ行っているか?の把握を試みた指標だとご理解いただきたい。
ポイントとなるのはポジションが違う選手を横並びで評価できるということ。例えば、攻撃の起点となるボランチと、サイド攻撃のキーとなるサイドハーフの比較はなかなか難しいが、このCBPを用いることで、どちらがよりチャンスになるプレーを行っているか?という観点から比較が可能になる。


さて、前置きが長くなったが、J1第7節が終わった時点での選手別の攻撃CBPのランキングを見て頂きたい。

<J1第7節終了時点での選手別の攻撃CBPのランキング>

上位5選手は、ミキッチ(広島)、清武(C大阪)、キムボギョン(C大阪)、遠藤(G大阪)、中村(川崎F)となっている。この5選手がなぜランキング上位なのか考察してみよう。ミキッチの右サイドのドリブル突破からのクロスが非常に多くのチャンスを作り出していることが如実に現れている。続いて、清武、遠藤、中村はパスCBPが非常に高い。ここで注目したいのは清武だ。第7節時点での、この3選手の総パス数は、清武=377本(18位)、遠藤=596本(1位)、中村=436本(10位)となっている。パス本数が相対的に少ない清武が、パスCBPで遠藤に次ぐ2位となっているのは、彼がCBPの高いパスを多く成功させている、すなわち決定的なパスを数多く演出することができている、と解釈できる。そして最後にキムボギョン。彼の特徴は何よりドリブルに表れている。狭いスペースでも緩急をつけながら左足の細かいタッチで繰り出される彼のドリブルは、今J1では最も優れているといえるのではないだろうか。
ただ留意してもらいたいのは、この攻撃CBPはシュートに結びつけるプレーに対する評価であり、シュートの評価は加味されていない。そのためFWがあまり上位に上がってきにくい傾向にある。シュートを加味した評価については次回以降どこかで考察しようと思う。

続いて、ポジション別のランキング上位を見てみよう。

<登録ポジション別攻撃CBPランキング>

FWでは、大迫(鹿島)、永井(名古屋)、玉田(名古屋)、前田(札幌)、ラファエル(大宮)の5選手が上位に挙がる。上述の通りシュートが加味された評価にはなっていないが、攻撃にチームへの貢献度が大きい選手であることは間違いない。五輪での活躍が期待される大迫がFWでは1位となっており今や鹿島の中心選手であることがデータからも分かる。ただ、第7節時点で未だ無得点で、あとはゴールを決めるだけ、という状況だろう。
MFでは全選手の評価で考察した通りなので、ここでは割愛させていただく。
DFでは、小宮山(川崎F)、加地(G大阪)、平川(浦和)、徳永(F東京)、藤春(G大阪)が上位にランクイン。やはりサイドバックの選手で、特にクロスの機会が多い選手が上位に挙がる傾向がみられる。中でもG大阪はTOP10に加地、藤春、今野と3選手が入っており、攻撃の機会の多さが表れていると言えるのではないだろうか。

前回に引き続き、今回は選手別に攻撃CBPを考察してきた。やはり各チームの中心選手が上位に来る傾向は伺えたが、一方で意外な発見もあったのではないだろうか。是非、次節以降、こういった選手に着目してJ1を観戦していただければと思う。


Text by 木野本 朋哉

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