J2最終節は甲府が京都とドローで、甲府がJ2無敗記録を24に伸ばし、京都は最後の最後で3位に転落。湘南は町田を3-0で破り、念願の自動昇格を手にした。この結果、今年導入されたJ1昇格プレーオフに進出したのは3位京都、4位横浜FC、5位千葉、6位大分となり、11/17に京都-大分(西京極)、横浜FC-千葉(ニッパ球)で行われる。
本コラムでは、準決勝で対決する4チームにおける過去の直接対決、今シーズンの特徴をデータで振り返りながら、2試合の展望を考察していきたい。
【京都と大分の対戦成績、両チームの今シーズンの得点パターン】
【3位京都VS6位大分】過去互角の争いだが、今年は大分が2勝。
上の表は、今シーズンの京都と大分における直接対決時(10節、33節)&今期全体における攻撃回数、シュート、ゴール、シュート構築率(シュート/攻撃回数)、シュート成功率(ゴール/シュート)、また各CBPを表にしたものだ。なお、10節、33節、今期平均で高かった方が赤字となっている。
【京都のキーマン】中村充考、中山博貴の飛び出し、宮吉の決定力
京都のポイントはいかに点を取れるかになってくるので、シュートCBPの高い中村、中山は明日の試合のキーマンとなってくるだろう。いかに2列目から飛び出して決定的なシーンを演出できるか。大分がしっかり守備を固める前に縦に早い展開をつくれるかがポイントだ。また宮吉は最近先発から外れているが、スーパーサブ的存在として途中出場し、決定的なシーンで得点することができるかが注目される。
【大分のキーマン】好調森島の爆発力、木島のスピード、サイド三平の突破力
大分のポイントはいかにカウンターを効率よく仕掛けられるか。攻撃時に2トップの森島・木島がいい形でボールをもらいゴールに最短距離で進めるかがポイントとなってくるはずだ。特に森島は千葉戦で決勝ゴールを挙げてから5試合4ゴールと好調で、スピードのある木島も山形戦でゴールを挙げている。また素早くサイドを突破し2トップの二人に精度の高いクロスを供給するためにもサイドの三平にも注目だ。
【4位横浜FC VS 5位千葉】過去は千葉、今年も千葉が2勝。
横浜と千葉の今シーズンにおける直接対決時(10節、33節)&今期全体における攻撃回数、シュート、ゴール、シュート構築率(シュート/攻撃回数)、シュート成功率(ゴール/シュート)、また各CBPを見るとほとんどのスコアで千葉が上回っている。特にクロスはJ2でナンバーワンとなっており、得意のサイド攻撃で横浜FCを脅かすことができるかどうかがポイントだ。
【横浜FCのキーマン】武岡&野崎サイド攻撃、阿部の守備、カイオの決定力
横浜FCもサイド攻撃が攻撃時のストロングポイントなのでいかに武岡&野崎にボールを供給して千葉のサイドを崩すことができるかがポイントだ。武岡はドリブルもあり、シュートもうまいので彼がボールを持つ回数を増やすことがポイント。
また野崎がサイドをえぐってカイオに供給する回数は多く、個のホットラインも注目だ。カイオはシュートがうまいので、千葉はカイオにフリーでシュートを打たせる回数をどれだけ減らせるかも注目となってくる。
【千葉のキーマン】谷澤・米倉・藤田・兵働の4人を主体としたサイド攻撃
千葉のポイントはポゼッションを上げながら、サイド攻撃から藤田にどれだけクロスをあげられるかがポイントだ。藤田が怪我で復帰し、米倉が好調になったことで4前線4人のボールキープ力が上がり、サイドを主体としながら中央でも攻撃をすることができている。千葉のリズムで攻撃する時間をどれだけ増やせるかが勝利への鍵だ。
横浜FCもサイド攻撃を主体としているため、両チームが攻撃と守備のバランスを保ちつつ、特に阿部サイドの裏を米倉がとって決定的なクロスを作れることができるかどうかがポイントとなってくるだろう。
京都、大分、横浜FC、千葉と4チームのストロングポイントを見てきたが、どのチームも違った特徴を持っており、明日の試合はそのストロングポイントをしっかり出し切れたチームが次のステージに進めるだろう。明日の試合を制し、11/23の国立の舞台を踏むことができるのはどのチームか。絶対に負けられない戦いとなるので、4チームの素晴らしいプレイを期待したい。