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ゴール期待値とチャンスの場面
2020.2.19

先日「Jリーグのデータから作るゴール期待値」という題で「ゴール期待値(Expected Goals)」に関して概要を紹介した。今回も昨季のデータを用いて、この指標について改めて紹介したい。



■ゴール期待値とチャンス

前回のコラムにおいて、ゴール期待値とは「シュートの成功確率を表すもので、値が高いほど得点が決まる可能性が高いシュート」と説明をした。昨季の明治安田生命J1リーグにおいて、トラッキングデータを取得できなかった試合を除きゴール期待値を計算できたシュート数は7861本。それをゴール期待値ごとに集計したものが図1だ。

図1ゴール期待値別の度数

上記の通り、多くのシュートのゴール期待値は0.1未満であったのに対して、0.2を超えたシュートは総数の13.1%となる1028本であった。さらに、そのシュートが実際に得点になったかを見ると、ゴール期待値が0.1未満であったシュートはわずか4.3%の236本であったのに対し、0.2以上では35.3%となる363本が得点となっていたのである。0.2を超えるシュートの場面を実際に見てみると、GKと1対1のシーンや味方が触れば得点となるような、いわゆる「チャンス」と感じる状況であることが多い。


■最もチャンスの場面を作っていたのは

そこで、ゴール期待値が0.2以上となるシュートがどの程度あったかをチーム別で表したものが図2である。

図2 チーム別でのゴール期待値0.2以上のシュート数と総シュート数に占める割合

ゴール期待値が0.2以上となるシュート場面を最も多く作り出したのは、優勝を果たした横浜FMであった。シュート数が最多であるだけでなく、決定機となるような場面も数多く作り出して得点を奪っていたことがわかる。一方、総シュート数が最少だった大分を見てみると、ゴール期待値が0.2以上であったものは50本。しかし、チームのシュート数に対する割合ではリーグで2番目に高い17.8%であった。シュートまで持ち込む回数が多くなくても、攻め込んだ時はゴールが決まりやすい局面を作り出せていたといえるだろう。



■ゴール期待値と被シュート

図3 チーム別でのゴール期待値0.2以上の被シュート数

図2を被データにしたもの、ゴール期待値が0.2以上だった相手のシュート数をカウントしたものが図3である。0.2以上となる被シュート数が少なかったのは、総失点の少ないFC東京、C大阪で、失点につながりやすい場面すら作らせていなかったといえるだろう。逆にピンチの数が多かったのは神戸、名古屋、横浜FMであった。この3チームはボール保持率が高く、また、ボールを失ってから失点までの平均時間が最も短い3チームであるだけに、例えばカウンターを受けてピンチを招く回数が多かったのではと推測できる。

前回のコラムでは、ゴール期待値の合計や1試合の中で両者の比較といった形で紹介し、今回はゴール期待値が0.2を超えたシュートや被シュートに焦点を当ててみた。今後は、別の見方や選手にフォーカスしたものなど、いろいろと紹介をしていきたい。


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