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コラムColumns攻撃に改善の余地がある浦和レッズ。キーマンは、柴戸 海。

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攻撃に改善の余地がある浦和レッズ。キーマンは、柴戸 海
2020-09-18 18:00 RSS

DataStadiumアナリストに訊く vol.5

「DataStadiumアナリストに訊く」では、アナリストを交えたインタビュー形式のコラムで、サッカーの面白さや新たな気付き・視点を与えられるような連載を目指します。

今回はデータスタジアムのアナリスト、藤 宏明 さんに訊いてみました。

——今気になるチームということで、浦和レッズを取り上げていただきましたが、具体的に気になっているポイントを挙げてもらえますか?



[藤] 最初に浦和の現状に触れておきましょう。16試合を消化して8勝3分け5敗の6位。上位に位置していますが、24得点28失点で得失点差-4と、おそらく万事順調という評価ではないと思います。私は攻撃に課題があると感じているのですが、その要因を考える上で今回は「ボランチ」に注目しました。 



——ボランチにフォーカスする理由について教えてください。


[藤] 浦和に関しては攻撃がうまくいっていない印象です。平均ボール支配率の低さや1試合での平均パス数の少なさに代表されますが、能動的に攻める場面がもっと増えてもいいのではないかと。その点で、一番の原因はボランチにあると推測しています。

——今季の浦和では主に青木 拓矢エヴェルトン柴戸 海の3選手を中心にボランチのポジションを担っていますよね。



[藤] そうですね。ただ、この3選手は守備に特長を持つ選手だと感じます。私が見る中では、ボランチがボールを受ける回数が少なく、最終ラインの選手も安心してボランチにボールを預けていないような印象を受けるんですね。また、ボールを受けた際の次のアクションが効果的ではない場面も多い。もちろんチームスタイルとしてボールを奪って縦に早く攻めるカウンター攻撃は必要ですが、一辺倒では難しいですよね。

ボランチの選手が各ポジションの選手たちと連係してボールを動かし、攻撃を展開する役割がさらに改善できれば、能動的な攻めができるのではないかと思います。


——なるほど。確かに浦和のダブルボランチは「守備型+守備型」と評してもいいかもしれません。攻撃の改善を考えた時のボランチの適任者は誰になるのでしょうか?


[藤] 私は柴戸選手に注目しています。

[藤] チームのポゼッションやボランチのパス受け数が少ない中でも、柴戸選手は奮闘しています。元々定評のあった守備面での良さも見せていますが、シュートにつながる流れに関与している回数が3選手の中では光ります。


もちろん出場時間にそれぞれ差があるので、柴戸選手の数字が多くなるのは当然ではありますが、それを加味してもラストパス数でチーム3位の数字を記録しているのは、評価したいポイントです。そういった意味で、柴戸選手には今後さらに期待したいですね。


——ちょうど先日行われた16節・札幌戦(4-3で勝利)では途中出場の柴戸選手が決勝ゴールを決めましたね。


[藤] そうですね。この試合では、杉本 健勇選手が2ゴールを挙げましたが、2ゴール目は自陣でボールを受けた青木選手が相手の最終ラインの裏へ出したロングパスから生まれました。柴戸選手に限らず、このようなシーンが増えてくると良いですね。


——今後に期待したいですね。浦和の次節に目を向けると、圧倒的な得点力を誇る川崎Fとの対戦が控えています。


[藤] 川崎Fは前線から積極的にプレッシャーを掛けてきます。ここで、浦和がどのようにボールを運ぶのか。ボランチがどのようにボールに絡むのか、あるいはボランチを経由しないやり方を選ぶのか。浦和の戦い方には注目したいと思います。

次節の明治安田生命J1リーグ第17節、浦和vs川崎F(9月20日 19:00K.O@埼玉)では、試合を見るポイントとして浦和のダブルボランチの動きを意識してみたい。前節の劇的な逆転勝利で得た良い流れを、首位の川崎Fにどうぶつけるのか。楽しみな一戦です。


文:佐伯 渉

関連リンク

浦和レッズ 2020プレビュー | 9月20日 浦和 vs 川崎F
https://www.football-lab.jp/uraw/preview/?year=2020&month=09&date=20

浦和レッズ 2020 シーズンサマリー
https://www.football-lab.jp/uraw/

柴戸 海 2020 選手データ
https://www.football-lab.jp/player/1617891/

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