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J1昇格組の開幕戦結果とJ1残留との関係
2021.2.26

 去る2021年2月20日(土)、FUJI XEROX SUPER CUP 2021が開催され、日本サッカー界に新シーズンの幕開けを告げた。いよいよ2021年の明治安田生命J1リーグも2月26日から28日の3日間にかけて各地で開幕戦が行われる。そこで、今回は「J1昇格組の開幕戦の結果」と「その昇格組の最終順位や残留・降格」の2つにスポットライトを当て、それぞれの関係性をデータで読み解いていく。

左表:Jリーグの歴史上「昇格組が存在し、降格制度も存在したシーズン」の中で、【J1昇格組の開幕戦の結果】と、【シーズン終了後に残留したか、降格したか】についての場合分け
右表:J1が18チーム制となった2005年からのJ1昇格組の開幕戦の勝敗、得点、失点別の最終順位分布

■対象条件など
 昇格組がリーグに存在し、シーズンの結果、降格チームが発生した年を対象としたため、降格チームが存在しなかったJリーグ開幕年から1997年までの「Jリーグ」はここでは対象外としている。
 1999年より「J2」が新設されたことに伴って前年の1998年シーズン終了後にはJ1参入決定戦が行われ、この結果札幌が翌年の1999年シーズンからJ2へ参加することとなった事例があるが、札幌は1997年の「JFL」から1998年の「Jリーグ」へ加入した昇格組であり、前述のように1998年はJ1参入決定戦の結果によって降格チームが発生した(=札幌)ことから、例外的にこのデータに含めている。(実際には「Jリーグ」から、新設された「J2」へのカテゴリー変更なので単なる「降格」ではないが、ここでは便宜上降格としてとらえ、1998年を昇格組と降格チームが両方存在したシーズンとしてカウントしている)。
 1999年は、この1998年の「J1参入決定戦」の結果によって新たにJ1へ参入するチームがなかったため(1999年の「J1」所属チームは全て1998年の「Jリーグ」に参加していた)、昇格組が存在しないシーズンとみなし、このデータには含めていない。


 この表から分かることとして、最も特徴的な点は「開幕戦で勝利を挙げた昇格組は1チームも降格していない」という驚きの事実である。昇格組は例年多くのチームが苦戦を強いられており、昇格即優勝を果たした2011年の柏や2014年のG大阪、下馬評を覆して一桁順位を勝ち取った2012年の鳥栖や2019年の大分などは記憶に新しいものの、これらは例外として認識すべきだろう。実際、この表で昇格組としてカウントした55チームのうち、20ものチームが降格となってしまっていることからも昇格組の厳しい現実は分かる。にもかかわらず、開幕戦に勝利したチームが全て残留している事実は見逃せないデータであることに間違いない。上のカテゴリーで戦い抜くにあたり、オフシーズンに準備してきた戦術を開幕戦で見事に披露し、初戦で結果まで勝ち得たチームは、1年を通して安定した成績を残せる確率が高いという1つの証明である。さらに、上図右の表で示したように、開幕戦における得点と失点まで注目し、その順位分布を見ると(ここでは順位に焦点を当てるため、18チームで行われたJ1リーグ戦に対象を絞った)、開幕戦における得点数よりも、失点数の方がより最終順位に与える影響が高いことが分かる。つまり、より堅い守備を見せ、失点が少ない開幕戦を披露したチームが、より高い最終順位となる可能性が高いということだ。単なる勝敗のみならず、失点の数についても注目して開幕戦を待ちたい。

 これらはあくまで、シーズン終了後の「残留or降格」と「順位」に重きを置いたデータであるため、20チームのうち4チームが降格と、前提条件が異なる今季に必ずしも当てはまるとは限らないのは確かだ。だが、昇格組である徳島、福岡の両サポーターには、ぜひこれらのデータを「開幕戦を盛り上げる1つのおつまみ」として頭の片隅に入れながら楽しんでいただければと思う。

 上図は、開幕戦で勝利を挙げたJ1昇格組を全て抜き出した詳細である。対象シーズンは1枚目左の図と同様に、昇格組と降格チームがともに存在したシーズンとした。なお、2020年はシーズン中断中にレギュレーション変更が行われ、降格チームがないシーズンとなったが、ここでは参考として表に含んでいる。開幕戦で勝利を挙げた昇格組が全て残留しているだけでなく、うち8チームが無失点での勝利を収めている点も、前述のとおり注目だ。

 最後に、今季の徳島と福岡の開幕戦データについておさらいしよう。

 徳島は2014年に初めてJ1に昇格したものの、開幕戦で大敗を喫し、以降も調子が上がらないまま最下位で降格という結果に終わってしまった。二度目のJ1挑戦となる今季、残留を果たすためには、やはり開幕戦の結果が重要になるだろう。対戦相手である大分は、通算成績で徳島が勝ち越しており、直近の対戦でも好成績を残している点は朗報だ。開幕戦で弾みをつけ、初の残留を勝ち取りたい。

 福岡は2001年に初めての降格を経験して以降、5年周期でJ1昇格と降格を繰り返している。特に、昇格組として臨んだ2006年・2011年・2016年は開幕戦で一度も勝利を挙げておらず、「昇格即降格」という屈辱を味わってきた。今季の開幕戦は名古屋と戦うこととなったが、昨季J1で3位フィニッシュを果たした強豪相手に白星を飾れれば、100%残留というデータを持ち出すこともなく、残留への機運は一気に高まるだろう。

<2021明治安田生命J1リーグ開幕直前!今回は昇格組の徳島ヴォルティス、アビスパ福岡についてアナリストが戦力分析!>
 データスタジアム【公式】
https://www.youtube.com/watch?v=vxIdmd4ASDw


注目の「昇格組開幕戦」は、
2021年2月27日(土)14時より、大分vs徳島 が、
2021年2月28日(日)13時より、福岡vs名古屋 が開催される。


文:増田 椋斗


・関連リンク
徳島ヴォルティス シーズンサマリー
https://www.football-lab.jp/toku/

アビスパ福岡 シーズンサマリー
https://www.football-lab.jp/fuku/

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