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コラムColumnsシュートマイスター 古橋亨梧。

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シュートマイスター 古橋亨梧
2021-07-09 19:00 RSS

 昨季に続いて今季も異例の過密日程となっているJ1リーグ。すでに折り返し地点を迎えたクラブもあり、各々の明暗が分かれてきている頃だ。そんな今季、ヴィッセル神戸はここまで暫定3位と来季のACL出場を見据えた位置につけており、リーグ戦直近5試合を見ても4勝1分けと無敗を続けている。その好調を支える1つの要因に、古橋亨梧の存在がある。
 2018年8月、古橋は当時J2のFC岐阜から神戸へ加入。並外れたスピードを武器に相手DFの背後のスペースを狙うプレーや、優れたボールタッチからのドリブル突破、ゴール前での嗅覚など、J1屈指の技術を披露している。さらに、ボールを受ける前のオフ・ザ・ボールの動きにも長けており、19節の横浜FC戦で記録したプロ入り後初めてのハットトリックはどれも素晴らしい駆け引きから生まれている。

・神戸vs横浜FCハイライトよりゴールシーンを抜粋
〈1点目〉 〈2点目〉 〈3点目〉


 まず、今季の古橋を語る上で欠かせないのがシュート本数の多さだ。ここまでのシュート本数はリーグ1位となる84本で、2位レアンドロダミアン(川崎フロンターレ)の58本に大差をつけている。また、枠内シュート本数も30本とリーグ1位だ。

 さらに、神戸加入後の1試合平均シュート本数を年度別で確認すると、今季の傾向がはっきりする。以前はサイドハーフなどのポジションでもプレーしていたが、今季は最前線での出場機会が多いこともあって1試合平均シュート本数は4.2本と、昨季の1.75倍に増加している。

 次に、現時点でのゴール数に注目したい。古橋はここでもレアンドロダミアンアンデルソンロペスを抜いて14ゴールとランキング首位に立っている。また、神戸のオウンゴール得点を除いた総得点は31で、その内の約45%が古橋の得点ということになる。

 ここからさらに掘り下げてみよう。前述した通り、古橋は今季リーグ戦で84本のシュートを放っているが、その内訳を見るとペナルティーエリア内(PA内)からのシュートが46本、PA外からのシュートが38本と極端な差は見られない。それぞれの試合状況によってプレーの選択は異なるものの、常にゴールを意識していることがうかがえる。
 さらに、この柔軟なプレー選択は結果にも表れている。古橋はPA外から3ゴールを決めており、稲垣祥(名古屋グランパス)と並んでPA外からのゴール数でもリーグ1位だ。

 続いて古橋の得点パターンを見ていきたい。
部位別では左足で5ゴール、右足で7ゴール、頭で1ゴール、その他の部位で1ゴールと、満遍なくさまざまな部位を使っていると言えるだろう。その中でも得意としている右足ではなく、左足にフォーカスを当てていきたい。
 今季の左足からのシュート数ランキングを見ると、古橋は左利きの選手たちの中に割って入っていることが分かる(24本:6位)。同ゴール数も3位タイと、右足だけではなく、左足でもゴールに迫れる力があることを証明している。

 また、得意とする裏に抜ける動きも、数字として結果が出ている。スルーパスからは4ゴール(1位)を挙げ、他にも30m以上のパスから3ゴール(1位)、クロスからは3ゴールと、まさにシュートの達人だ。

 
 そして、神戸には古橋を後方から支える優れた選手たちもいる。今季の古橋のゴールを最もアシストしているのは山口蛍セルジサンペールで4回。アンドレスイニエスタはここまで1アシストだが、復帰してからまだ8試合(うち途中出場が3試合)しか出場していないことを考えるとエンジンがかかるのはこれからだろう(2018年からの通算ではイニエスタからのアシストは10回で1位)。彼らからの援護が増せば、古橋はもっとゴールへと迫れるはずだ。神戸の2季ぶりのACL出場へ向け、古橋のさらなる覚醒を期待したい。

文:鬼澤 優作


・関連ページ
フットボールラボ 古橋 亨梧 選手ページ
https://www.football-lab.jp/player/1607293/

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