TEAM SELECT

コラムColumns【Stats×Twitter分析 #1】東京五輪サッカー男子 日本代表 vs 南アフリカ代表。最もTwitterで反響があったのは久保建英選手の強烈な先制ゴール!。

HOME » 【Stats×Twitter分析 #1】東京五輪サッカー男子 日本代表 vs 南アフリカ代表。最もTwitterで反響があったのは久保建英選手の強烈な先制ゴール!
【Stats×Twitter分析 #1】東京五輪サッカー男子 日本代表 vs 南アフリカ代表。最もTwitterで反響があったのは久保建英選手の強烈な先制ゴール!
2021-07-24 13:00 RSS

近年、サッカーはゴール、シュートなどの他、ドリブルや時系列でのボールポジションなど様々なデータが取得可能になっている。これらのデータをファン・サポーターのTwitter上の反応と掛け合わせてみることで、試合展開ごとの盛り上がりについて分析し、サッカーの新しい観戦視点を模索していく。
今回は2021/7/22(木)に行われた東京五輪サッカー男子日本代表vs南アフリカ代表を取り上げる。(以下、U-24日本代表・ U-24南アフリカ代表)

試合概要

[東京五輪 グループリーグA組第1節]
U-24日本代表 1-0 U-24南アフリカ代表/7月22日(木)/東京スタジアム
日本代表にとって、東京五輪における重要な第1戦目。試合を通して攻め込む展開が多かったがなかなか得点に結びつかず、後半26分に右サイドでボールを受けた久保建英選手がカットインして左足を振り抜き待望の先制ゴールとなった。追加点は無かったものの、この1点を守り切り、初戦白星スタートを決めた。

データ取得概要

[スタッツデータ]

試合のスタッツデータは、データスタジアム株式会社によって計測・取得された、各時刻にどの選手がどのようなアクション(シュート、パス、ドリブル、など)を行ったか、ボールがどの位置にありどのような展開か(どちらのチームのポゼッションか、など)を表すデータ206項目を含む時系列データを用いた。

[Twitterデータ]

サポーターのTwitterデータは、ツイート内容(本文、ハッシュタグ)、アカウントのプロフィール内容にサッカー関連用語やU-24日本代表選手名を含むかなどによる独自ツイート抽出ルールのもと、試合開催中の時間帯におけるツイートを公式APIによって取得し、次の条件によって試合と関係のないツイートをスクリーニングしたものを用いた。

■ツイートスクリーニング条件
以下の①②③のうち、いずれかを満たすものを分析対象とする。
プロフィール内容もしくはツイート内容に、U-24日本代表・Jリーグ関連ワードが含まれている。
ツイート内容に、U-24日本代表選手フルネームが含まれている。
ツイート内容に、呼称を含むU-24日本代表選手名、サッカー関連ワードが含まれている。

結果、本稿では49,662件のツイートデータを用いた。 

試合全体スタッツ

試合は1-0でU-24日本代表が勝利した。U-24日本代表がボールを支配する時間帯が多くみられ、序盤から相手ゴールに迫るが、チャンスをものに出来ずスコアレスの状態が続いた。待望の先制点は後半26分、田中碧選手の高精度のサイドチェンジから、久保建英選手が得意の左足を振りぬいてネットを揺らした。試合のスタッツを見ると、ボールポゼッション、シュート、パスのいずれもU-24日本代表がU-24南アフリカ代表を上回る結果となった。
 

※データスタジアム株式会社データより

最も盛り上がった時間帯は?

時系列(90分表記)に対する、ツイート数(オレンジ線・第一軸)とゴール数(青線・第二軸)をプロットしたのが下図である。
久保建英選手のゴールシーンで最も多くのツイート数が計測された。その他、前半32分から前半34分にかけての林大地選手・三好康児選手のシュート、後半31分に相馬勇紀選手の裏への抜け出し(ただし、オフサイド)のシーンでツイート数が伸びた。

ツイートグラフ

反響のあった選手や、スタッツが光る試合を支えた選手は?

ツイート数がもっとも多かったのは久保建英選手で、正確なトラップからの強烈な左足のシュートが光った。次いで、試合を通してゴールに迫る活躍をした林大地選手、7本のスルーパスを含めて多くのチャンスを作り出した堂安律選手となった。
比較的ツイートでは現れづらい中盤のビルドアップの面では、パス数のスタッツにおいて遠藤航選手が96回、田中碧選手が89回と高い数値を記録。中盤からしっかりとゲームメイクをしていたことがうかがえる。

選手スタッツとツイート

久保建英選手と一緒につぶやかれたのは…

最も多くのツイート数を記録した久保建英選手について、「久保」というワードと同時につぶやかれたワードをその多さに応じて円の大きさで表現したのが下図である。なんといっても先制ゴールに対するツイートが多く、「ナイス」や「ゴール」、「さすが」などのワードが見られる。特筆すべきは「トラップ」というワードで、先制したゴールに関してはシュートだけではなくロングボールを正確にコントロールしたトラップ技術に注目する声も多く見られた。

「久保」ツイートデータ

林大地選手と一緒につぶやかれたのは…

先制点を決めた久保建英選手に続いて多くのツイート数を記録した林大地選手について、「林」というワードと同時につぶやかれたワードをその多さに応じて円の大きさで表現したのが下図である。前半を中心に多くの見せ場を作ったことに関する言及が多く、「良い」や「好き」などの好意的なワードが見られる。ゴールに迫る場面が多く、このようにファン・サポーターからの期待感が大きいことから、グループリーグ第2戦以降でのゴールに期待したい。

「林」ツイートデータ

“守る”U-24南アフリカ代表に対し、目立った日本の攻撃パターンは?

前半におけるU-24日本代表のシュートまでのボールの軌跡と、そのプレー中のツイート数を線の太さで表現したのが下図である。守備時は主に5-4-1の形で中央を締めていたU-24南アフリカ代表に対し、中央突破を狙うには難しい状態が続いた。そこで U-24日本代表はボールを左右に揺さぶりながらサイドの深い位置で起点を作り、ゴールに迫る攻撃パターンが多かったようだ。

<< 日本の攻撃方向

ここで、後半におけるシュートまでのボールの軌跡とそのプレー中のツイート数を線の太さで表現したのが下図である。ゴールに至った攻撃は黄色、ゴールに至らなかった攻撃は灰色で区別している。
先制ゴールシーンの軌跡を確認すると、やはり前半から継続していたサイドを活用した攻撃であり、田中碧選手、久保建英選手の精度の高いプレーが奏効しゴールにつながる結果となった。

日本の攻撃方向 >>

以上、U-24日本代表 vs U-24南アフリカ代表のStats×Twitter分析をお届けした。

執筆担当:
篠田裕之、早川直輝、西巻佳祐

Columns

Graphics