J2で首位を走るヴィッセル神戸と無敗で追うガンバ大阪の直接対決が、ゴールデンウイークの最終日に実現。今回は約23,000人の観衆を集めたこの「関西ダービー」を、データの切り口から振り返る。
※小川とマジーニョはサイドを変える時間あり
交代は主なもののみ
G大阪を上回った神戸のボールへの執着
選手ランキングは2回以上のみ掲載
両チームの特徴はボール奪取数でも表れた。各チームのベスト5を見ると、GKから最終ライン、ボランチまで名を連ねる神戸に対して、G大阪はセンターの選手が目立つ。神戸はエステバン、田中が、G大阪のパスコースを限定させる守備をしたことで、サイドの選手のボール奪取も増えた。ランキング外となったが、サイドハーフの小川も7回を記録しており、そのうちの1回は先制点につながっている。
テンポの悪いG大阪の攻撃
セットプレーを除く
神戸とG大阪のボランチを比較すると、似たようなプレーエリアの中で一際目立つのが、神戸の敵ゴール付近の3%のエリア。このエリアにおけるプレーはすべて田中のものであり、先制点のアシストとなったプレーもここに含まれる。このアシストを含め、田中はシュートにつながったパスを3本、シュートを2本放っており、守備のタスクをこなしながら攻撃にも積極的に関与した。G大阪の遠藤と内田は、プレー数そのものは神戸の二人よりも多いが、細かいパスが多く、流れの中でシュートに絡む回数はわずか。攻守の役割がはっきりしていた神戸に対し、G大阪は両ボランチとも同じような役割となってしまった。3列目の選手の攻撃参加は停滞した攻撃に変化を与える手段の一つとなるので、今後の試合で劣勢となった場合には、彼らの動きに注目したい。
G大阪のこの試合での収穫は、今季初出場となった右サイドバックのオジェソクかもしれない。少ない出場時間でありながら、反撃に転ずるために積極的に攻撃を仕掛けた。出場時間に約60分の開きがあるにも関わらず、ボール奪取数でも加地を超えており、今後は元日本代表のサイドバックをベンチに追いやる可能性もある。
独走態勢となった神戸は、G大阪戦の完勝を自信に今週末東京へ。長崎に抜かれ3位となったG大阪は福岡と戦う。次の両者の対決は7月20日。どのような成長を見せてくれるのか、今後もこの2チームから目が離せない。