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コラムColumnsプレーデータ分析~13/4/20 さいたまダービー~。

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プレーデータ分析~13/4/20 さいたまダービー~
2013-04-22 20:00 RSS

2位の浦和、3位の大宮という状況で迎えた「さいたまダービー」。昨季のダービーから継続中の大宮の無敗記録も相まって、過去最高の注目を集めた。今回はこの一戦をデータも交えて振り返る。


ゲーム展開のおさらい

時差列攻撃グラフ(交代表示は一部のみ)

序盤に攻撃を仕掛けたのは大宮。前半3分にセットプレーのこぼれ球を片岡が狙うが、クロスバーに直撃し得点には至らない。その後、浦和がボールを支配するが、大宮の厳しいマンマークにより前線へボールを運べず、チャンスを作ることができない。さらに、相手GKとの接触により負傷した原口が交代となり、ますます厳しい状況となる。ゴールが生まれたのは前半のアディショナルタイム。競り合いにより出血した那須がピッチを離れている間、下平とのワンツーでスペースへ飛び出した渡邉の低いクロスをズラタンが合わせ、大宮が先制する。1点を追う浦和は、前半よりもスペースが生まれたことでサイドから攻略しシュートチャンスを創出。しかし、固められた大宮の牙城を崩すことはできず、そのままタイムアップとなった。

大宮のフォーメーション

大宮アルディージャのこの試合でのポイント

・13.鈴木に6.青木、8.柏木に23.金澤、24.原口(10.マルシオリシャルデス)に34.片岡、相手のウイングバックにはサイドバックが付くマンマーク。シャドーが下がっても付いていく
・体力が落ち間延びしたことに加え、相手が前線に人数を掛けてくるとボランチを吸収した6枚で守る場面も
・ボール奪取後はサイドへ素早く展開。足の速さを生かし、サイドハーフのキープからサイドバックのオーバーラップを使う
・攻守とも空中戦が強く、攻撃時は競り合いのセカンドボールを拾ってシュートへ持ち込む。守備時はロングボールを蹴らせて、2.菊地に跳ね返させる

浦和のフォーメーション

浦和レッズのこの試合でのポイント

・ビルドアップ時はウイングバックが高いポジションを取り、阿部が最終ラインに下がる4-1-5。13.鈴木とシャドーの2人が下がってボールを受けようとするのだが、相手の守備が良く前へ運べずロングボールに
・右サイドから左サイドにサイドチェンジし、3.宇賀神で勝負する場面が多かった。後半に入り右サイドを突破する場面も
・シャドーが裏へ抜けたりダイアゴナルランで受ける場面が少ない。また、24.原口の交代により、ドリブルでの打開もできなくなる
・守備時は5-2-2-1のような形に

浦和のパス×大宮の守備を振り返る

前半、大宮のマンツーマンディフェンスに苦しんだ浦和は思うようにビルドアップできず停滞。前半のディフェンシブサードでのバックパス数は13本あり、これまでの試合の45分平均に対して倍の数値となる。攻略するためにいつもよりロングパスを多用するものの、前半のうちに改善することはできなかった。後半に入りスペースが生まれてからは徐々にらしさを取り戻し、サイドの突破からシュートチャンスを創出しようと試みるが、大宮の人数をかけたディフェンスを崩せず、ゴールに近いエリアでのプレー数は伸びなかった。

サイドを制圧した後半、浦和はCKを6回(試合合計では7回)手にしたが、すべて相手に渡りゴールを脅かすことができなかった。この試合において浦和は、敵陣における空中戦18回のうち一度も勝つことができず全敗。自陣においても3割の勝率に止まった。

逆に大宮は高さの利を生かし、シュートに至ったパスのうち2本はセットプレー、残りの2本はクロス(うち得点につながった1本は低いボール)となっている。

これまで菊地とともにセンターバックでプレーしていた高橋は、前節の退場により今節は出場停止となった。大宮にとっては不安な点であったが、代わって出場した片岡も好プレーを披露。前節まででオフサイド取得数リーグ1位だった大宮だが、今節もラインコントロールは安定しており、7つのオフサイドを取得した。

浦和側から見ると、この試合のオフサイドのうち6つは興梠が記録したもの。2列目や3列目の選手が飛び出していくシーンがあれば、相手の守備を崩すきっかけになったかもしれない。

大宮の攻撃を振り返る

チョヨンチョルが欠場したことにより攻撃のパターンの一つが失われた大宮は、セットプレーとサイドからのクロスが中心となった。浦和側は2トップの外国人選手二人を特に警戒しており、ポストプレーヤーとしても能力を発揮していたズラタンのプレーは、この試合においては厳しい数値となった。それでも、前述の通り空中戦では7勝2敗で勝利しており、また前半の最後には決勝点を記録。ストライカーとして勝利に大きく貢献した。

無敗記録を更新した大宮は今後どこまで勝ち点を伸ばすのか。敗れた浦和は今後タイトル獲得に向けて、どのような戦術の上積みがあるのか。今後もさいたまの2チームから目が離せない。

関連ページ

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http://www.football-lab.jp/uraw/report/?year=2013&month=04&date=20

順位表・各種チームランキング
http://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j1/?year=2013

大宮アルディージャ シーズンサマリー
http://www.football-lab.jp/omiy/

片岡洋介 選手データ
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ズラタン 選手データ
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浦和レッズ シーズンサマリー
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