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J2史上最強の3位。福岡の2015年を振り返る
2015.12.21

今年のJリーグで最後に歓喜の輪を生み出したのはアビスパ福岡だった。2012年が18位、2013年が14位、2014年が16位とJ2でも下位をさまよっていた福岡が今季は3位でフィニッシュ。今季の福岡にどのような化学反応が起きたのか、その記録を紹介していこう。

図は6試合ごとの福岡の勝点と得点、失点をまとめたものだ。開幕からの3試合は全敗で最下位まで落ちていたが、そこから二度の3連勝などでポイントを重ね徐々に基盤を作った。5月下旬から梅雨明けの時期まで不安定な成績となったが、夏頃から守備が改善されたことで再びポイントを積めるようになり、終盤には得点力が爆発。首位・大宮、2位・磐田を猛追した。

・守備面のポイント
昨季60点だった失点を37まで減らし、首位の大宮と同じ数となった。完封試合数は9から21に、1-0での勝利数は4から13に増加し、点が取れない状況下でもポイントを取れるようになったのは大きい。先制点を奪って負けた試合はなく、先制試合における勝利数は22試合。首位大宮と並びリーグトップの数値となった。

昨季に比べボール奪取位置が下がった今季は、ボール奪取ライン(奪取位置の平均位置)を約2m下げ、ディフェンシブサードでの奪取数割合は約7%上昇。ラインを下げて中央を固めたことで、セットプレーを除くペナルティエリア外からの被シュート割合は10%近く増えた。

福岡の被シュート数は550本で、これはリーグで7番目に多い数値だ。ある程度打たれているにも関わらず失点を防げたのは最後のとりでが大きな仕事をしたからである。今季の福岡のGKは、神山竜一が21試合、中村航輔が20試合、笠川永太が1試合出場。主に前半戦を神山が、後半戦を中村航が担った。20歳の中村航が見せた活躍は、福岡サポーターのみならず多くのJリーグファンが見届けたことだろう。セーブ率87.3%は2010年以降のJ2出場時間1000分以上のGKの中でトップの数値だ。ペナルティエリア外シュートセーブ率は97.0%とわずか1失点のみ。GK陣の活躍が昇格に大きく影響したのは間違いない。

・攻撃面でのポイント
失点はこれまでに比べ大きく減ったが、得点の増加はそこまででもなく、昨季から11点増えたのみ。しかし、これまでと大きく違うのは「強み」をよりゴールに直結できるようになった点だ。セットプレーからのゴールは30点に達しリーグトップ。特にニアですらしてからシュートを狙うケースが多く、一瞬生まれた相手のほころびを突いた。

セットプレー同様にクロスから5プレー以内にゴールした数もトップとなった。ワイドにポジションをとる亀川諒史、中村北斗、阿部巧らから、中原貴之もしくはウェリントンを狙ったものだ。クロスそのものがゴールに結び付かなくても、そのこぼれ球を拾ってすぐゴールにつなげられるようになった。高さと強さを備えるターゲットマンがいることにプラスして、周りのポジショニングの良さがこの数値を生んだ。

センターフォワードに目を向けると今季は前半戦に中原が、後半戦に移籍加入のウェリントンが出場機会を得た。終盤の絶好調時にレギュラー出場していたのがウェリントンだったため彼の活躍ぶりが鮮明に記憶に残っているが、中原の活躍ぶりも忘れてはならない。縦パス受けデータを見てみると、ワンタッチパス成功率はウェリントンと近い値となり、ボールキープの成功率においては10%以上差を広げた。この成功率のデータは両者のスタイルを比較した際にウェリントンがより攻撃を意識していた表れでもあるが、中原のロスト数の少なさも評価できる点と言えるだろう。

2005年、2010年に続き2015年もJ1昇格を決めた福岡。しかし前述の2回は1年で降格となっており、来年はこの流れを断ち切らなければならない。またJ1昇格プレーオフ誕生後、これに勝ち抜いたチームは1年で降格するという流れも同様に終わらせなければならない。J2が22チームとなった2012年以降の3位チームの中で最多となる勝点82を記録した福岡は来季どのように多くの壁を乗り越えるのか、J1での「アジアの壁」の采配に注目だ。

Football LAB


■関連リンク

アビスパ福岡 シーズンサマリー
http://www.football-lab.jp/fuku/

中村 航輔 選手データ
http://www.football-lab.jp/player/1300080/

ウェリントン 選手データ
http://www.football-lab.jp/player/1300881/

中原 貴之 選手データ
http://www.football-lab.jp/player/300114/

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