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2015年J2 年間ベストイレブン
2015-12-17 18:00 RSS

激動のシーズンとなった2015年のJ2。前半戦の主役を昇格チームの金沢が演じる一方、徐々に前評判の高かった大宮が地力を見せて首位に躍り出る。終盤に失速しながらも、大宮は第41節に1年でのJ1への返り咲きを決めた。また、磐田も最終節に劇的な形でJ1への切符を獲得する。さらに、井原監督の下で躍進を遂げた福岡がJ1昇格プレーオフを制し、5年ぶりのJ1復帰を果たした。

フットボールラボでは、J1に続いてチャンスビルディングポイント(CBP)を中心とした独自のベストイレブンを選出。フォーメーションは「4-4-2」を採用した。

なお、対象は出場時間が所属チームの試合時間の3分の2以上としており、CBPは累積の値となる。

<GK>
★スタメン:中林 洋次(岡山)

■控え:清水 健太(讃岐)

中林はセーブ率とセーブ数でトップ。驚異的な反射神経でシュートに対して鋭く反応し、ゴールに堅いカギを掛けた。PKセーブを2本記録するなど、チームの窮地を救う場面も多く、文句なしの選出だ。

新加入の清水は、最後のとりでとして昨季に71失点を喫した讃岐の守備を立て直した。セーブ率は3位、セーブキャッチ率で2位につけ、チームはリーグ最少失点タイを達成。ベテランらしい安定感のあるセービングで落ち着きをもたらした。

<センターバック>
★スタメン:井林 章(東京V)
★スタメン:岩政 大樹(岡山)

■控え:作田 裕次(金沢)

センターバックは、守備CBPなど守備関連のデータと空中戦に注目して選出した。

井林はリーグ全体で見ても、守備CBPとボールゲイン数でトップに。空中戦においては、敵陣と自陣ともに唯一70%超えの勝率をマーク。誰とコンビを組んでも相方の良さを引き出す柔軟性を持ち、主将としてもチームを引っ張った。

新加入ながら、岩政はディフェンスリーダーとしてフルタイム出場を達成。守備CBPとクリア、ブロック、インターセプトの合計数で2位につけるほか、自陣での空中戦の勝率は表の選手内でトップに立った。その存在感は別格で、威風堂々としたたたずまいが印象に残る。

控えには、作田を選んだ。自陣における空中戦では岩政に次ぐ勝率を記録。相手ゴール前でもその力は発揮され、奪った5得点は全てヘディングでのものだ。チームの生命線といえるセットプレーで輝きを放った。

<サイドバック>
★スタメン:養父 雄仁(熊本)
★スタメン:丸橋 祐介(C大阪)

■控え:田中 雄大(水戸)

サイドバックはクロスCBP、ドリブルCBPなど攻撃に関連する項目に加え、守備CBPも基準として選出。

右サイドバックは養父。中盤を本職とするプレーヤーだが、今季はシーズン途中からこのポジションで出場を重ねた。持ち前の高精度のキックから多くの好機を生み出し、クロスCBPは表の選手内でも3位にランクイン。ドリブル成功率も高かった。

左サイドバックを務めるのはC大阪の丸橋だ。チームはJ1復帰を逃したが、自身は安定したパフォーマンスを披露。表の選手内では攻撃CBPで1位、守備CBPで3位につけており、貢献度の高さがうかがえる。

控えは水戸の田中だ。正確かつ破壊力を有する左足を武器にクロスCBPは高い数値を誇り、クロス数210はリーグ全体で見ても1位の数字。サイドバックの選手内でのタックル数でトップに立つなど、守備面でも体を張った。

<センターハーフ>
★スタメン:風間 宏希(北九州)
★スタメン:岩尾 憲(水戸)

■控え:カルリーニョス(大宮)

センターハーフは、パスCBPなどパス関連の項目と攻撃CBP、そして守備に関する項目を基準とした。

風間は、パスCBPと攻撃CBPがリーグ全体でも2位、パス数3038は2位以下を大きく引き離しての首位。J2で屈指のプレーメイカーへと成長した。北九州の攻撃は必ずといっていいほど風間を経由。チームメイトがまず一番にボールを預ける光景からも、信頼の厚さがうかがえる。

風間とコンビを組むのは岩尾だ。パスCBPは1位、攻撃CBPでは風間に次ぐ数値を残した。タックル数126は表の中の選手では最多。体を張ったプレーで新天地での地位を確立した。読みの良さも光り、インターセプト数41は全体で見ても断トツの数値だ。

サブには、カルリーニョスを選出。パス成功率はトップで、特にミドルパスの成功率は90%を超えている。難しいと思われる距離でも見事にパスを通して攻撃を組み立てた。すでに来季から徳島へ移籍することが決まっており、新たな挑戦に期待がかかる。

<オフェンシブハーフ>
★スタメン:家長 昭博(大宮)
★スタメン:泉澤 仁(大宮)

■控え:駒井 善成(京都)
■控え:江坂 任(群馬)

オフェンシブハーフには、ゴールとアシスト、攻撃に関する決定的な仕事ができることを基準とした。

攻撃CBPで1位の家長は圧巻のパフォーマンスを披露して今季のJ2を彩った。強じんなフィジカルで、相手のハードマークをものともせず。決定的なパスを次々と通して守備ブロックを打ち破った。スルーパス成功率とアタッキングサードへのパス成功率は堂々のトップだ。J1の舞台に戻る来季。チームの浮沈のカギを握る存在だ。

表の中の選手で、家長に次ぐ攻撃CBPを記録したのは泉澤だ。得意のドリブルで守備網を突破して多くの好機を作り出すのはもちろん、味方との連係も重視。ドリブラーにありがちな単騎での突破にこだわらず、今季は視野の広がりを見せた。

控えには、駒井と江坂を選出した。駒井はドリブルCBPが表の選手内ではトップで、ドリブル数はリーグ全体でもトップ。不本意なシーズンを送ったチームの中で、孤軍奮闘の働きぶりを披露した。ルーキーながら、江坂は全試合に出場し13ゴールを記録。群馬の攻撃の核を担った。豊富な得点パターンを持ち、ステップアップを含めてその動向には注目が集まる。

<FW>
★スタメン:ジェイ(磐田)
★スタメン:小松 塁(北九州)

■控え:ムルジャ(大宮)

FWはゴール数、シュートに関する項目を基準に選んでいる。

2トップの一角を担うのは、得点王に輝いたジェイ。パンチ力のある左足を振り抜いて遠めの位置からでもゴールを狙い、シュート数は他を大きく引き離す146。決定率こそ低いが、シュート枠内率は2位タイと随所でうまさが垣間見えた。

ジェイの相棒には小松を選出。190センチの長身に目が行きがちなものの、頭、左足、右足で満遍なくネットを揺らし、キャリアハイとなる18ゴールをたたき出した。32歳のベテランFWは高いシュート決定率を誇る一方で、周囲を生かすすべも心得ており、アシスト数は8を記録した。

シュート枠内率が60%と高い数値を誇るムルジャをスーパーサブに据えた。昇格の懸かった大一番の試合では、ビハインドの状況から起死回生の2ゴールを奪取。大仕事を果たしたストライカーは、来季もチームを救うゴールを挙げられるか。

以上が各選手の選考理由となります。

選手個人のデータを基準においての選出のため、順位が反映されない部分があるかと思いますが、ご了承ください。

下記に2014年と2013年の年間ベストイレブンコラムのリンクを置いておきました。
過去との比較もお楽しみください。

■関連リンク

2014 J2年間ベストイレブン
http://www.football-lab.jp/column/entry/593/

2013 J2年間ベストイレブン
http://www.football-lab.jp/column/entry/472/

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