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J1昇格、J2降格によるデータ変化とは?
2016.2.9

シーズンの変わり目には選手、スタッフ陣の再編が行われるチームが多く、またそうでないチームも戦術の見直しをすることで別のチームへと生まれ変わることもある。新しいシーズンの開幕時は昨季のデータを紹介することが多くなるのだが、上述の理由によりあまり参考にならないことが多い。これらを解決したデータを紹介するには数々のハードルを突破しなければならないが、それを越えるための第一歩として、J2からJ1へ昇格したチームや、J1からJ2へ降格したチームにどのようなデータ変化が起きているのか検証を行った。

昇格プレーオフが始まったのが2012年。この年から上位2チームがJ1へ自動昇格し、3位から6位チームがプレーオフを行い勝者1チームだけが昇格を果たすレギュレーションとなっている(J1ライセンス所持チームのみ)。その2012年からの昇格が決まったチームのJ2における勝点と、翌年のJ1での順位をまとめたのが下図だ。プレーオフ昇格チームがすべて最下位となっており、優勝したチームはすべて残留している。またJ2時代の順位と入れ替わりがない(例:J2の2位チームが翌年J2の優勝チームより上の順位に行ったケースがない)のも特徴だ。

同様にJ1からJ2へ降格したチームを見てみよう。降格が決まったシーズンのJ1での勝点と、翌年のJ2での順位をまとめると、こちらも似たような現象となっている。J1で最も残留に近かった16位のチームはすべて自動昇格圏におり1年でJ1へ復帰。J1で最下位だったチームは、昇格プレーオフ圏内にも達していない。


ここまでの内容から昇格、降格時の順位をベースに攻撃別でデータをまとめた。

・J2→J1 J2首位チームのデータ変化

J2での強さをそのままJ1で維持するのはとても難しいことだ。G大阪が2014年に昇格即優勝という成績を収めたが、これは世界的にも稀なケース。CKを得る機会は1試合平均で1.8回減り、ミドルサードやアタッキングサードでボールを奪って攻撃をする機会も減っている。一方で上昇しているのはアタッキングサードからの攻撃のチャンス構築率(シュートへ至った割合)だ。また被データの方もディフェンシブサードで奪われてから被シュートへ至る割合が減っており、ゴールに近いエリアでの対応が成績につながっている。

・J2→J1 J2 2位チームのデータ変化

2位チームはJ2首位チームよりセットプレーに強い傾向があり、CKからのシュート構築率は4割を超え、FKからも18.5%を記録。さすがにこの数値をそのままJ1で持続させるのは厳しいが、それでもJ2首位チームのJ1での構築率より高く、長所を維持できていると言える。被データにおいてもCKからの被シュートや、ディフェンシブサードで奪われてから被シュートへ至る割合は減っており、残留に向けて最後まで戦えるチームとなっている。

・J2→J1 プレーオフ昇格チームのデータ変化

J1最下位が続く昇格プレーオフ組はやはり厳しいデータが並ぶ。自チーム側のチャンス構築率はどの攻撃も下がり、逆に被データの方は上昇。最も差が激しいのはゴールに近いエリアから始まる攻撃で、自チーム側はシュートにつなげられず、相手にシュートを打たれている傾向となっている。この点をもう少し改善し、勝点を得られる試合展開に持ち込みたい。


さて続いてはJ1から降格したチームの翌J2シーズンとのデータを比較してみよう。カテゴリーが下がったので数値そのものは上昇してほしいところなのだが、それぞれの順位によってどのような違いが生まれるだろうか。

・J1→J2 J1 16位チームのデータ変化

まずはJ1で16位だったチームの翌年のJ2とのデータ比較から。最初に触れた通りこのチームはすべて自動昇格を決めている。よってどのデータも良い傾向が表れているが、その中でも目立つのはセットプレーの強さだ。CKを得る機会が増えた中でチャンス構築率も6.7%上昇。FKも5%近く上がっている。一方で被データはCK、FKともに5%前後被シュートへの割合を減らした。攻守ともにセットプレーを改善させることで1年での復帰を実現させている。

・J1→J2 J1 17位チームのデータ変化

全体的に数値変化は少なめだ。攻撃面において唯一大きく数値が上がっているのがアタッキングサードからの攻撃におけるチャンス構築率。約6%上昇し、降格チーム中でもトップの数値となった。被データの方で気になったのはディフェンシブサードで奪われてからの攻撃回数が、降格となったJ1時よりも若干増えている点だ。J1 17位チームの翌年の成績を見ると、2013年の神戸を除いた14年の磐田、15年のC大阪はどちらも昇格プレーオフで敗れたチーム。J1時代の不安定な要素を十分に修正できなかった結果かもしれない。

・J1→J2 J1最下位チームのデータ変化

最後に昇格争いに加われていないJ1最下位チームのデータを見てみよう。2012年から14年までのJ1最下位チームは17位との差が大きく、よってデータ上もかなり悪い数値が並んでいる。それに対する比較となるので数値としては翌年改善されているのだが、先に紹介したJ1の16位、17位チームと比較すると少々物足りない。攻撃面を見るとセットプレーからのシュート率は悪くないが、最も攻撃機会が多いディフェンシブサードでボールを奪ってからのシュート率が低い。逆に守備側である被データを見るとCKから被シュートへ至る割合が大きく、攻撃面とは逆の傾向が表れた。


この3年間のサマリーとしては上記のような結果となった。しかし、今季はこれまでとは違うデータが表れるかもしれない。昇格プレーオフを勝ち上がった福岡は2位の磐田と同勝点であり、これまでの昇格プレーオフ組とは違う強さを見せてくれた。またJ1からJ2へ降格した3チームは勝点が近く、昨季は残留争いが長引くことはなくあっさりと降格が決まった。最下位となった山形はこれまでの最下位チームに比べ勝点を10多く奪えている。今回紹介した傾向を覆す結果は果たして生まれるのだろうか。

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