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データで振り返る2017年のJ3○○や××
2017.12.27

北九州、栃木といった元J2組に加えて毎年J3で上位につけている長野などを軸に優勝を争う構図になると予想された今季のJ3。だが、蓋を開けてみれば秋田が開幕から15戦負けなしと、好スタートを切った。後半戦に入って秋田が調子を落とす中で、夏場に的確な補強を行った栃木と、今季からJ3に参入した沼津が追走していく。終盤は秋田、栃木そして沼津の3チームによるマッチレースの様相となり、最終節で栃木と沼津が直接対決で引き分けに終わる一方で、鳥取を相手に確実に勝点3を積み上げた秋田が優勝を遂げた。

今季は「DAZN」のサービス開始により、今まで主にダイジェスト番組でしか見る機会のなかったJ3を全試合生中継で視聴可能となった。J3の試合を本格的に見るのは今季が初めてという方が大多数ではないだろうか。より多くの人の目に触れるようになった17年のJ3を、いくつかのトピックとともに振り返っていきたいと思う。

J3も今季で4年目。一番出場している選手は?
J3リーグが創設されて今季で4年目。毎年チーム数が異なるため、試合方式に違いがあり、昨季までの3年間で99試合、今季は32試合でリーグ戦が争われた。選手視点ではここまでで通算して131試合が行われ、今季は出場試合数が100の大台を越える選手たちが次々と出てきた。

堂々のトップに立つのは久富賢。15年に1試合欠場したのを除いて全ての試合でピッチに立っている。2位につける吉田明生と佐藤悠希はJ3創設時から連続出場を続けていたが、それぞれ今季の第22節、第20節で記録が途切れてしまった。J3の生き字引ともいえる彼らの活躍に今後も注目したい。

鳥取の「進撃の巨人」畑中槙人は空中戦で無敵!?
かつてはJ2で戦っていた鳥取が今季は最下位に終わった。苦しいシーズンを過ごした鳥取にあって話題を集めたのが、Jリーグ史上最長身選手の畑中槙人の存在だ。205センチと思わず見上げるほどの高さを誇り、昨季の1試合から今季は11試合と出場数が増加。それではその畑中のスタッツはどうだったのか。

気になる空中戦の勝率は62.2%と平均以上ではあるが、取り立てて秀でているわけではない。これに対してかつて千葉に在籍していた204センチと同じく高身長のオーロイの12年の空中戦勝率は74.2%と群を抜く。制空権を支配するためには純粋な高さだけではなく、相手との駆け引きを制することも重要となる。日本では、長身FWは晩成型が多く若いうちから育ちにくい土壌があり、畑中も経験を積み重ねる中で徐々に勝率は上がっていくのではないだろうか。ただ、注目してほしいのは、敵陣ペナルティエリア内では畑中が100%の勝率を記録していることだ。前線へのアバウトなパスではなく、ピンポイントで畑中をターゲットとしてボールを送った場合であれば、やはり高さがものをいう。空中戦の勝敗は出し手のキックの質にも大きく左右されるともいえる。

とりぎんバードスタジアムは昇格の聖地!?
鳥取の話題としてもう1つ触れたいのは、最終節で行われたとりスタでの試合において、3年連続で対戦相手が優勝しており、J2ライセンスを持っていない秋田を除いて山口、大分と目の前で昇格を決めていることだ。鳥取としては不本意な記録といえるが、三度あることは四度あるのか。ともあれ18年の鳥取のホームゲーム最終戦の対戦チームについては要注目だ。

J1・J2より上?60メートル超えの超弩級シュートがさく裂!
今季のJ3のゴール数はオウンゴールを含めると698に上る。その中で60メートル超えのロングシュート2発をご紹介したい。

ゴール距離で1位に輝いたのは岡崎慎。ただ、これはディフェンスラインの裏を狙ったロングフィードが意図していないところに行き、相手GKのミスも重ねってボールがネットに吸い込まれた幸運なものであった。

対照的に僅差で2位の増谷幸祐のシュートは狙い澄ましたものだ。GKが若干前にポジショニングしているのを見逃さずにロングシュート。ボールはGKの頭上を越えてネットを揺らした。パス成功率でも上位につける増谷のキックの質が生きた場面であった。ちなみに今季のJ1の最長ゴール距離は趙東建の50.8メートル。J2最長ゴール距離は小塚和季の54.1メートルであった。

ゴール前にボールを送った者勝ち!?
世界的に見ても、下部リーグといえばトップリーグと比べてテクニック面で劣り、大味な感があるのは否めない。J3もご多分に漏れず、パス成功率などをJ1と比較すると、大きな差がある。そんなJ3で頂点に立つには?今季の上位3チームの得点パターンを見ると、セットプレーでの得点が多くの比重を占め、クロスからのゴールも多い。ディフェンスの組織力が不十分なJ3においては、策をそうしない、シンプルな攻撃は有効といえる。

5つのトピックを挙げて今季のJ3を振り返ったが、いかがだったろうか。どうしてもJ1、J2と比べてスポットライトが当たることが少ないJ3だが、毎節毎試合ごとに見どころあるプレーが随所に見られ、一つ一つのドラマがある。本稿では取り上げなかったが、YS横浜が万年最下位という称号を返上、東京オリンピックひいてはその先の日本代表での活躍が期待される久保建英の初ゴールなどさまざまなことがあった。また、J3での活躍を機にステップアップを遂げ、今ではJ1チームで主力となった選手もいる。チーム、選手がともに発展途上であるがゆえに大きく伸びしろがあるJ3。そんな大きな可能性を秘め、魅力あふれるリーグを今後も見守っていきたい。

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