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コラムColumn選手新指標開発P① ~ゴール数と関係がある指標は?~。

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選手新指標開発P① ~ゴール数と関係がある指標は?~
2014.4.18

 footballlabリリース後約2年がたちますが、本サイトのコンセプトは「データによってサッカーをもっと輝く。」をスローガンに、CBPをはじめとしたオリジナルのデータを提供することで、Jリーグ各クラブのサポーターやサッカーファン、サッカーに関係する多くの方々に、より深くサッカーを知り、よりサッカーを楽しんで頂くためにオープンいたしました。結果多くの方にサイトに来ていただけるようになり、引き続き精進してまいりたいと思っております。

 2013年のシーズンオフに、今期のサイトの企画をしている中で、より選手の特徴を「見える化」できるように新たな指標の開発にfootballlabは取りくみました。本コンセプトに沿った形で実現できるように頑張ってみましたので、その研究成果を複数回にわたって紹介してまいりたいと思います。

 ポイントとしては

  ①今まで定性的に語られていた能力をわかりやすく見える化すること 
  ②個人選手の特長を分かりやすく把握できること

  この2点に重点を置いて開発しております。①については、この選手は「決定力」があるよね、「ビルドアップ」できるよねといった、選手の特長を定性的に語っていたことがあったかと思いますが、そちらを指標化しようという試みです。結果、「パスレスポンス力」、「ビルドアップ力」「ボール奪取力」「空中戦」など、合計11指標を開発いたしました。

 もう一つは今までCBPをはじめ、開発していた指標をそのまま活用していることもありますが、数字の絶対値自体をぱっと見たときに高いのか低いのかが理解できなかったりする声を聞きました。そこで、今回は重要な指標を開発した後、数字を偏差値化&規格化することで分かりやすく選手の特長を直感的に理解できるように心がけてみました。開発した指標は20段階評価で評価するようにしており、分類基準は以下の通りです。例えば選手のある指標の偏差値が56だった場合、55.0~57.5に入るため、Ratingを9という感じで規格化するという考え方です。

 なお確認のために昨シーズンのゴールランキングを紹介しておきます。

 

【ゴールとの相関の高い指標】

 今回はゴールと関係のある指標を紹介いたします。まず、はじめに2013年のJ1に出場したフィールドプレーヤー(計411名)の年間成績をベースに、ゴールとの相関係数の高いデータスタジアムが持っている攻撃系の指標をピックアップしてみました(相関係数0.6以上)。

 



【Playing Style指標1:シュート力】最も相関が高いのはシュート数

 まず、ゴールと最も相関が高い指標はシュート数で0.8614でした。当たり前の結果ではありますが、シュートを打たないとゴールを決めることは100%ないということで、シュート数をたくさん打っている指標を「シュート力」として主要指標の1つに置きました。

 以下の表がJ1・J2のシュートランキングです。まずJ1ですが、最も「シュート力」が高かったのはマルキーニョス。現在は神戸でも攻撃の中心選手として活躍しており、4得点を上げています。2位は昨季得点王の大久保。今年もシュートランキング2位となっており、アグレッシブにシュートを打つ大久保の特長が数字に表れています。3位は
昨年19ゴールをマークしている鹿島の大迫となりました。

 なお、J2のナンバーワンは現甲府のクリスティアーノでした。

Playing Style指標2:決定力】=a「シュート決定率」+b「シュートCBP」

 次いでゴールと相関が高かったのは、スルーパスを受けた後のシュート(スルーパスシュート)です。やはりスルーパスから抜け出してシュートを打つ機会が多い方がゴールに結びつきやすいというイメージが確からしいことが数字ででていました。

 その次に高かったのは、シュートCBPで0.6891、
シュート決定率が0.6736とシュート精度に関わる指標が上がってきました。この2つの指標をピックアップし、ゴール指標との偏相関係数をベースに合成関数を作り、「決定力」指標としました。


 

その結果がご覧のとおりです。J1では昨年Jリーグベストゴールを受賞した柿谷が1位、得点王となった大久保が2位という結果になりました。3位は日本代表候補に選ばれている柏のエース工藤となりました。

なお、J2は昨年途中加入にもかかわらず19得点をマークした宇佐美。今年はケガでまだJ1でのプレーがなく、決定力不足のG大阪にとって存在の大きさを感じさせる結果です。

上の図は、J1の決定力ランキングトップ10の決定力とシュート力の偏差値を散布図にしてみたものです(カッコ内は2013年のゴール数)。これを見ると、柿谷はシュート力<決定力、大久保がシュート力>決定力とプレイスタイルの違いが分かります。大迫もどちらかというとたくさんシュートを打ってゴールをマークしている選手ということが分かります。一方工藤は決定力のある選手であることがわかるかと思います。

Playing Style指標3:パスレスポンス力】=c「スルーパスからのシュート数」+d「スルーパス受け」

 最後に、ゴールと関係が高い指標として上がってきたのが「スルーパスからのシュート数」で相関係数が0.7323、「スルーパス受け」が0.6205と、両方ともラインからうまく抜け出してボールを受けられる数が多いほど、ゴールにつながりやすいことを示していると解釈できます。よく「裏に抜けるのがうまい選手」という言い方をすると思いますが、そういった選手の特徴を表す指標としてこの2つの指標を活用し、「決定力」と同様、偏相関係数をウェイト値として合成関数を作り、「パスレスポンス力」としました。


 その結果が以下の通りです。J1の第1位は仙台のウイルソン。2位は大迫、3位はマルキーニョスとなりました。先ほどの2つの指標を合わせると、大迫とマルキーニョスは、裏に抜けてシュートを打つことに長けた選手だと解釈できそうです。
また、J2は昨年G大阪にいたレアンドロでした。




 以上、ゴールと関係がある指標として「シュート力」「決定力」「パスレスポンス力」の3指標を紹介しました。この3指標を見ただけでも、ラインナップされる選手が異なり、印象とあっている選手、意外とスコアが高かった選手がいたかと思います。皆様のひいきのチームの選手の順位を確認するなどして、楽しんでいただけたら幸いです。

 次回はアシストと関係があるチャンスメーク系の指標を紹介していきたいと思います。

<関連記事>
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