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登録選手から見る移籍動向
2018.2.22

シーズンの始まりを告げる富士ゼロックススーパーカップも終わり、いよいよ開幕が直前に迫った18年のJリーグ。今オフの移籍市場の動向について、まずは各チームの平均年齢の変遷をご覧いただきたい。

平均年齢が最も高かったのは浦和。一方で甲府は年々平均年齢が下がっている
図表1は各チームの登録選手の平均年齢の一覧になる。なお、2種登録の選手も含めているため、J3にそれぞれセカンドチームが参入しているFC東京、G大阪、C大阪の平均年齢はほかのJクラブと比べると、比較的若い数字となっている。

全チームの中で最も平均年齢が高かったのは、唯一の28歳超えとなった浦和。ベテランの那須大亮(36歳)を放出した一方で、守備陣の中心になり得る岩波拓也(23歳)を神戸から獲得するなどしたが、平均年齢では最高値となった。

過去には浦和を上回る平均年齢だったチームがあり、16年の甲府は30歳だった。山本英臣、津田琢磨、そして土屋征夫で形成された3バックの合計年齢は優に100歳を超えていたが、経験を生かした老かいな守備で堅守を支えた。今季は津田、土屋がチームを去った影響もあって26.66歳に下降しており、若返りを進めながら1年でのJ1復帰を達成できるかに注目だ。

カテゴリー別に見ると、J1は上昇したチーム、J2とJ3は下降したチームが多い。その中でJ3には盛岡やYS横浜、鳥取といった若い年齢構成のチームが多くある。メンバーは一部のベテランを除き、大卒1、2年目の選手と上位カテゴリーのチームから期限付きで加入した若手がほとんどだ。

平均年齢が低いクラブで意外に思われるかもしれないのは横浜FM。中澤佑二に代表されるようなベテラン選手の活躍が目立つが、世代別代表の常連である遠藤渓太など若手の有望株も多く、今季は高卒ルーキーが2名加入し、アカデミーから3名が昇格を果たした。

京都は平均年齢が大きく下降。図表1の集計は18年2月16日時点でのものなので、その後に加入が決まった増川隆洋(38歳)の年齢は加算されていないが、昨季にチームを支えた大黒将志(37歳)、ケヴィンオリス(33歳)や菅野孝憲(33歳)などのベテランを放出し、アカデミー出身の沼大希(20歳)や荻野広大(20歳)といった若手が期限付き移籍先から復帰したため、今回のような数字となった。

「成り上がり」選手たちは上位カテゴリーでも力を発揮できるか
今オフも昨季に印象的なパフォーマンスを残した選手たちが上位カテゴリーにステップアップしていく図式が多く見られた。J2屈指の司令塔へと成長を遂げた庄司悦大は仙台へと移籍。徳島からは、J2日本人得点王の渡大生と馬渡和彰がともに広島に新天地を求めた。J3からJ2への移籍を果たした選手の代表例としては、鹿児島から大分へ行ったJ3得点王の藤本憲明、沼津から徳島に活躍の場を移した薗田卓馬の名前が挙げられる。さながら食物連鎖のように、力のあるチーム、つまり「DAZNマネー」の恩恵をより多く受けることになるであろう資金力のある上位チームへの移籍は、活性化されるのだろうか。

大幅な選手の入れ替えを行った水戸、藤枝
昇格、降格などでカテゴリーが変わった際に、選手が大きく入れ替わることは少なくないが、同じカテゴリーのままで出入りが激しかったクラブもある。今オフの水戸は17名もの選手を放出し、新たに14名の選手が加入した。

昨季の水戸のリーグ戦の総得点は45(オウンゴールは4点)。そのうちの36得点を挙げた選手がチームを去るという緊急事態ともいえるオフとなった。特に林陵平と前田大然の二枚看板が抜けた穴は大きく、苦しい戦いを強いられることは想像に難くない。代役となり得るストライカー候補は既存戦力に加え、新加入の岸本武流とジェフェルソンバイアーノ。しかし、前者はまだJ3でしか実績がなく、後者はJリーグ初挑戦という点で未知数なところが多い。連係が構築できないまま序盤戦を過ごし、得点力不足に陥れば、クラブ史上初の降格という憂き目に遭うことも考えられる。果たして乗り切れるか?

水戸以上に入れ替えが多かったチームが藤枝だ。22名の選手がチームから離れ、20名が新加入。昨季は両ウイングバックやシャドーの個の力を生かし、魅力的なサッカーを展開していたが、今季はその主軸を担っていた選手たちが去った。大石篤人監督がどのようなチーム作りをしていくのかには注目したい。

ピンポイントでの補強のみでほとんどメンバーが変わらなかったチーム、成績不振に陥った昨季からの巻き返しを図り、あるいは資金面での問題から大幅にメンバーが入れ替わったチームなど、オフシーズンの動向はさまざま。前者はチームのマンネリ化を招いて低迷の一因となる恐れがあり、後者はチーム作りの過程ということが影響して序盤でつまずくと、一気に瓦解するリスクをはらんでいる。移籍市場での正解というものは、シーズンが終わってみなければわからない点が多い。25年目を迎えたJリーグにはどのような展開が待っているのか、サプライズは起こるのか。その行く末を見守っていきたい。

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