TEAM SELECT

コラムColumnsプレースタイル指標のアップデートについて。

HOME » プレースタイル指標のアップデートについて
プレースタイル指標のアップデートについて
2019-07-17 16:00 RSS

本ウェブサイトでは2014年よりPlaying Style指標(以下、プレースタイル指標)を掲載しておりますが、同指標にて利用しているチャンスビルディングポイントのアップデートを機に指標内容を変更、追加し、これまで掲載されていなかったJ3リーグも含め過去データを全て再生成致しました。それに際し、改めてプレースタイル指標についてご紹介致します。

プレースタイル指標は、
・今まで定性的に語られていた能力をわかりやすく見える化すること
・選手個人の特長を分かりやすく把握できること
この2点をポイントとし、データスタジアムが保有する多くのデータを偏差値化、規格化することで、分かりやすく直感的に選手の特長を理解できるよう心がけています。

この度のアップデートによりプレースタイル指標のパラメータの種類は15(J2,J3は14)となり、それぞれの偏差値を20段階に分け評価しています。

【参考】選手ページに掲載しているプレースタイル指標

これらのパラメータを利用して、プレースタイルの近い選手を導き出すことも可能です。類似選手を見つける際には、それぞれの選手のデータ間の距離(差異)を算出し、類似度とします。例えば、選手の走力と決定力のデータが手元にある場合、それぞれの選手のデータは二次元空間上の座標(点)として表現することができ、選手Aの点から選手Bの点への距離が短ければ短いほど、その2選手の差異は少なくなります。

【参考図】選手Aにとって選手Bは似ていて選手Cは似ていない

今回は15種類(J2,J3は14種類)の指標をデータとして使用しているので、選手のデータは15もしくは14次元空間上の点として表されることになります。よって、先ほどの例のようにグラフにプロットして視覚的に確認することは難しいですが、距離を算出すること自体は次元がいくら増えようと可能なので、今回は選手間の距離を算出して選手同士が似ているかどうか判断しています。

各選手に類似している選手は、それぞれの選手ページに距離が近い順に5選手掲載しております。

アンドレスイニエスタ 2019 選手データ
https://www.football-lab.jp/player/601706/

対象選手はデータ更新タイミングにおいて全試合時間の3分の1以上出場している選手となり、パラメータのもととなるデータは90分換算した数値を利用しています。

これまで扱っていたデータも含め、それぞれのパラメータ指標について紹介致します。

決定力
一定以上のシュート数を記録した選手を対象に、シュート成功率とシュートCBPから合成関数を作り、「決定力」としました。データ名称上はこれまでと変わりませんが、この春シュートCBPの定義を変更したため、パラメータが変更となっています。これまでは確実にゴールを決めなければパラメータが上がりませんでしたが、枠内シュートによっても上昇するようになりました。

ワンタッチシュート力
これまで「シュート力」というパラメータでしたが、シュート選手をさらに区別するために4つのタイプに分けました。「ワンタッチシュート力」は、ペナルティエリアにおけるヘディング以外のワンタッチシュート数をもとに計算しています。

ヘディングシュート力
名前の通りヘディングシュート数をもとに計算しています。

ロングシュート力
セットプレー以外で、シュート地点からゴール中央まで30m以上の距離のシュート数をもとに計算しています。

セットプレーシュート力
フリーキック、コーナーキックで直接シュートを放った数をもとに計算しています。

下図のレーダーチャートはシュート数の多い選手の4つのパラメータを比較したものです。シュートを積極的に狙う選手でもそのタイプは異なることが分かります。

パスレスポンス力
「パスレシーブCBP」「ペナルティエリア内パス受け数」「スルーパス受けからのシュート数」「ロングパス受け数(空中戦除く)」の4つのデータから合成関数を作り、「パスレスポンス力」としました。以前からあるパラメータ項目ですが、定義を変更しています。

敵陣空中戦力
敵陣における空中戦勝利数から計算しています。

ドリブルチャンス力
ドリブルCBPより計算しています。

クロスチャンス力
クロスCBPより計算しています。

パスチャンス力
「ラストパス数(シュートを打った味方選手へのパス)」「パスCBP」の合成関数から計算しています。

ビルドアップ力
これまでから定義を変更し「パスCBP」「前方へのパス成功率」「ディフェンシブ・ミドルサードのキープ成功数」「被奪取P」の合成関数から計算しています。被奪取PはCBP項目の一つである奪取Pを相手側(奪われた側)から計算した数値です。被奪取Pは数値が高いほど良くない傾向となりますので、合成関数を作る際に数値のプラスマイナスを逆転して計算しています。

2019/7/17時点

自陣空中戦力
自陣における空中戦勝利数から計算しています。

守備力
守備Pから計算しています。守備Pはこの春のCBPアップデートにより定義が変更となっているため、パラメータの数値も以前より変化しています。相手の攻撃の最終局面での守備がポイントに反映されやすいです。

ボール奪取力
これまでからデータ定義を変更し、この春に新設した「奪取P」から計算しています。高い位置での守備がポイントに反映されやすいです。

走力
スタメン出場試合における「総走行距離」「一定以上の速度における走行距離」のデータから合成関数を作り「走力」としました。途中出場試合の場合は走行バランスがスタメン時と異なるため計算対象外としました。トラッキングデータの取得範囲上、2015年以降のJ1リーグのみが対象となり、J2、J3は掲載されませんのでご注意ください。

2019/7/17時点

今後もFootball LABでは新しいデータ指標に挑戦していきます。引き続き宜しくお願い致します。


Football LAB とは
https://www.football-lab.jp/pages/about/

チャンスビルディングポイント(CBP)とは
https://www.football-lab.jp/pages/cb_point/

2019-07-17 16:00 RSS
J STATS

Columns

Graphics